現代のようにスマホがなかった時代には、電話や手紙、ファックスといったものの他、インターネットの普及により、メールが新たなコミュニケーション方法として世界中で広がっていきました。しかし、時代遅れとなってしまったメールでのやり取りでの問題は何でしょうか。

1-1. まとまりのない非効率な情報のやりとり

今でもメールというツールは誰もがメールアドレスを取得して、情報収集のために活用したり、問い合わせの手段として活用されています。

ですが、メールというものは通信状況によって送受信の時差が生じたり、迷惑フィルターに受信されてしまったりといったケースもあり、組織内で扱うには非常に不効率なツールとして認識され始めています。

1-2. メール独自の定型文や配慮といった無駄な時間

その他にもメールでのやり取り用に定型文を考えたり、相手への配慮といった無駄な時間が増えることもあり、特に若者の間ではビジネスコミュニケーションの手段としては、毛嫌いされがちな傾向にあります。

世代によってはメールの方が使い易く感じると思われている場合もあります。いまだにスマホを使い慣れないという人は、どうしてもメールや電話のみの連絡手段からなかなか抜けきれない状況が続いていることも考えられま　す。

とはいえ、いつまでも時代遅れなビジネスコミュニケーションを続けていると、世代ごとの格差は生まれ、非効率なやり取りを改善することはできません。

この格差を縮めるには、次世代のビジネスコミュニケーションについての理解を深める必要があるのです。

近年はFacebook、Twitter、Instagram、Linkedinなど、様々なSNSがビジネスの場面で活用されています。

2-1. ピーディーな情報共有で効率性を改善

各SNSごとに使っている世代に違いがあり、古株のものは30代から50代の人たちに多く使われている傾向にあります。

その世代からするとSNSというものは、新しいコミュニケーション手段として新たに取り入れられることになったものであるという印象を持っているでしょう。

しかしそれ以下の若い世代になると、SNS内で行われるコミュニケーションは当たり前のものとして捉えられているため、アレルギー反応を起こすこともなく使いこなすことができます。

むしろ若い世代からすればメールを使う意義などもなく、非効率なコミュニケーション手段として考えられている場合もあります。

それよりもSNSのようなツールを使うことによるスピーディーな情報共有を可能にすることの方が、多くのメリットを感じられるのです。

2-2. ラフなコミュニケーションを実現する

SNSでのコミュニケーションでは、見知らぬ人との会話でも余計な配慮は必要ありません。

もちろん誹謗中傷行為は相手を傷つけることになりますので、相手の気持ちも考えずになりふり構わず自由に発言し過ぎるのは慎むべきです。

とはいえ過去のコミュニケーション手段に比べれば、挨拶文などを必要としなければ、スタンプなどでのやり取りが行われたりと、SNSは今までにはなかったラフなコミュニケーションの実現を可能にしたのはたしかです。

近年は、SNSのようなラフなコミュニケーションを実現させるためであったり、効率的なコミュニケーションの実現に向けて、ビジネスチャットを導入する企業が増えています。

ビジネスチャットでは、メールのように非効率なメッセージのやり取りではなく、リアルタイムで効率的に会話を進めていくことで、効率的なコミュニケーションを実現させることができます。

その他にも、予め用意された定型分を使用したり、スタンプを活用してSNSのようなシンプルなコミュニケーションが行えるようにもなります。

便利な機能が豊富にある反面、メリット・デメリットを理解して上手く活用できるような仕組み作りも必要ですので、ここからはその点について解説していきます。

3-1. 効率的に情報共有を広げることができる？

SNSのような形でコミュニケーションが取れて、尚且つそのメリットをビジネスでも活用できるツールがある場合、積極的に組織内でも活用できれば、世代ごとの格差を埋めていくことにもつながります。

どのチャットツールでも、グループ間での情報共有を容易にするため、コミュニケーションの効率性を高めることにつながるものになります。

3-2. 共有範囲を広げることによる弊害

ただし、ラフなコミュニケーションが取れるようになる反面、どのチャットツールでも、共有範囲を広げていくと、プライベートと仕事の区切りをつけることが難しくなるというケースもあるようです。

ビジネスチャットを使って仕事の会話を進めることをメインに考えている人と、アフターファイブの予定を確認し合ったりといったプライベートな話までしようとする人などが混合してしまえば、せっかくの便利なツールも非効率なものに変わってしまう場合があります。

その対策としては、仕事用とプライベートでツールを使い分けたり、専用ルーム（グループ）などを作成するといった対処を行い、仕事とプライベートの使い分けを考えておく必要があります。

ビジネスチャットを導入し、効率性を改善する環境が整ったとしても、メールやダイレクトメッセージなどを頻繁に使用するのは、世代によってはストレスとなる場合があるということを知っておきましょう。

また、ビジネスチャットを検討する際のヒントはSNSの中にあります。時代に合わせて変化する若者のSNSの使い方にも注目し、自社にどのようにしてその利便性を加えていけばいいのか検討した上で、新たなコミュニケーション方法を導入していくことが大事です。

さらにラフなコミュニケーションが行えることによるメリットとデメリット両方を知ったりと理解し、仕事とプライベートの使い分けが行える仕組みまで作っておくことで、両者の混合を防ぐことにつながります。

次世代のビジネスコミュニケーションについての理解を深めることは、世代ごとの格差を縮める活動につながります。

各世代ごとの要望や問題について分析を進めると同時に、改善するための対策を考えていくことで、より円滑なコミュニケーションを実現することができるでしょう。

今回の話をヒントに、次世代のビジネスコミュニケーションを実現させ、更なる成果の追求につなげていきましょう。